表題のように、最近MSIのメーカー整備済み品のPCを買ってみました。その話を書こうかなと思うのですが、結論としては、以下の点に気を付ければおすすめという結論です。
- SSDの消耗具合
- バッテリーの劣化具合
- 筐体の程度
あくまで自分の買った個体の一例であって、メーカー整備品全ての状態が同じであるとは限らない点には注意が必要です。ざっくりと程度も最初に紹介しておくと、
- SSDは起動時間こそ長いが寿命に直結する書き込みに関しては少ない。
- バッテリーも経年劣化として妥当な程度の劣化がある(メーカ整備済み品を名乗るには微妙な状態)
- 筐体は小さな擦れ傷程度で奇麗
という感じでした。なので、人を選ぶところがあるというのが総評です。ちなみに今回購入したのは、MSI CLAW A1Mというハンドヘルド型のゲーミングPCです。そもそもメーカー整備済み品を購入したのかから簡単に紹介します。
自分は一昔前のハイエンドデスクトップPCを持っているのですが、最近椅子に座ってゲームするよりも、ゴロゴロしながらPCゲームがしたい!となっていました。そこで、数年前に流行ったハンドヘルド型のゲーミングPC(Steam DeckやASUS ROG Allyなど)が気になり購入を検討しました。
しかし、最近は生成AIブームで空前絶後の半導体高でPCがどれもこれも高いわけです。以前までハンドヘルド型PCは少しお高くてもセールを狙えば10万以下で割と大容量SSDの搭載されたモデルを購入することが可能でした。しかし、最近はRAM/SSDが信じられないほど高等しているため、PCそのものの値段も大きく高騰しているわけです。
KIOXIA SSD 1TB PCIe Gen4×4 NVMe M.2 2280
商品情報が見つかりません1TBのSSDで3万円…?数年前は安ければ8,000円ぐらい手に入ったイメージでしたが…話が脱線しましたが、平たく言えば新品は”高すぎる”というのが元々あるわけです。
そして、何か比較的安くていいものはないだろうかと探していると、今回紹介するMSIのメーカー整備済み品を発見したわけです。半導体が高騰し、値上げの嵐なのでいくら程度お得に購入できているのか、というのが定量的に評価しにくいところなのですが、ひとまず「安く購入できる」ということだけは間違いないです。
今回はメーカー整備済み品は扱いが各社微妙で、自分の購入したソフマップだとアウトレットの新品扱いでした。ほかの場所だとメーカ整備済み品と表記はあるものの、中古扱いという感じでした。なので、客観的に見て状況の予想もしにくかったです。先人たちの経験を探してみたのですが、メーカ整備済み品を買ってみたレニューみたいなものは見つかりませんでした。欲しいのは変わらないので、人柱にでもなってここに記録を残しておくかということで購入してみました。今回はそんなメーカ整備済み品のお話。
目次
購入した製品の情報
MSI CLAW A1MにはCore Ultra5 135Hを搭載したモデルと、Core Ultra7 155Hを搭載したモデルがあります。それに加えて内蔵ストレージが512GBか1TBかの構成があります。今回購入したのは最上位モデルのCore Ultra7 155H/1TB SSDを搭載したモデル(Claw-A1M-002JP)です。お値段は69,800円でした。2024年3月発売品で2026年7月に購入、ということでモデル的には2年ほど前のPCです。
ちなみに、Xを徘徊していて気が付いたのですが、購入と同じタイミングで下位モデルのCore Ultra5/512GBモデルの新品が同じ値段で某所ビックカメラ店頭で販売されたようです。メーカ整備済み品で最上位モデルか、それとも完全に新品で下位モデルか…という感じでもありますが、個人的な使い方だとこちらでよかったかなと思いました。その理由に関しては後述。
2年落ちPCを公式整備品とはいえ7万で購入か…とか思ったのですが、最近の他のPCからみるとコスパは圧巻です。ちなみに、本機種はハンドヘルド型PCだとおそらく投げ売りされたことでも有名だったりします(個人の感想です)。当時は周りがRyzenを採用する中、唯一Intel採用であったことで話題を呼びました。しかし、肝心のゲーミング性能がRyzen搭載モデルに及ばず、ハンドヘルド型PC最初期(今も黎明期)の製品だったのもあり、市場からの評判が悪かったため、上で説明した下位モデルが69,800円と今と同額で投げ売りされました。調べてみると、日本発売の3か月後には値段落ちていたことになりますね。
上位モデルについても簡単に調べてみると以下のような記述のあるサイトを発見。
お値段は2024年12月現在メーカー直販にて89,800円。私自身はAmazonアウトレットで69,391円
とういうことで、当時からメーカ直販価格で多少お値段はしたようですが、特価品を購入できればお安く購入できたようです。
それと同じ値段で2年後に購入していると思うと何とも言えない気持ちになりますが、今はほかのPCも驚くくらい値上がりしています。ちなみに保障などを全て捨てた中華PCですらこの値段です。
CHUWI Hi10 Max 13インチ Win11 Pro Office 2024 12GB + 512GB SSD
商品情報が見つかりませんZwide SA13 Pro win11 1215U タブレットPC 13.2型 1600*2400 2in1 16GB+512GB
商品情報が見つかりませんというわけで、スペックが劣っていたり、さらに数世代古いCPUを使っていたりしても価格と性能で勝てないわけです。ちなみに、自分は最初に書いた通り、あくまでゲームをゴロゴロしたいだけなので、Winタブレットも選択肢に入れていたというだけなのですが、それをさしい引いても高い。中華PCですらこれとなるとメーカ物の価格はもう少し絶望的なものかと思いましたが、メーカ整備済み品で2年前の水準ぐらいで買えるなら寧ろご時世を考えるとお得です。
どれくらいお得かというのはわかりにくいですが、ひとまずご時世を考えるとお得であることは間違いないようです。もちろん状態がどうかにもよります。というわけでここからはその状態についてみて行ってみます。
外観
メーカ整備済み品とはいえ気になるのは外観。必要ならケースを新品に変えているということもあるかと思いますが、割に合わなそうなので、おそらく使いまわしではないかと予想はしています。
箱は見た感じ奇麗です。箱は新品なんでしょうかね。

中身のほうですが、これはキレイです。大きな傷はありません。

よく見てみるとコントローラーグリップに擦り傷みたいなものがありました。この梨地のプラに固いものを当ててこすった感があります。

十字ボタンもよく見ると小傷のようなものがある気もしますが、割とこの程度だとQCの甘い製品だとついているので、元からあったものなのかどうか判断はつきません。

ジョイスティックはキレイです。これは交換したのだろうか?ぐらいきれいです。使われていたなら加水分解が進んでべちゃついていそうなものですが、そういった痕跡がなく、この部分に関しては新品感があります。

それ以外のところもキレイです。写真に撮っていませんが、ヒートシンクにほこりが詰まっているということも無いようです。外観ではかなりの美品のようです。

MSIストアに「再調整品」というものについて説明があったのですが、
再調整品とは、お客様が開梱、もしくは展示機で使用された製品を再度検査、検品などを実施した商品です。再調整品は、機能・性能においては使用する上で問題のない状態です。一部外観にキズがある場合がございますが、クリーニングを実施しております。ご購入後のキャンセル・返品不可となります。あらかじめご了承ください。再調整品の保証期間は、ご購入後3か月です。
ということなので、いわゆる返品されたものか、展示機だと思うのですが、外観的にケースに入れられていた展示品か返品されたものか?という予想です。
SSD
中古と思うと状態は良かったです。Crystal Disk Infoの画面です。余談ですが、この水晶雫がまだ使われていることに感動しています。ほかのキャラクターものやコラボのものがあるのですが、この子は自分は15年くらい前から認知しているので…

余談はさておき、温度が60度を超えて赤色表示されているのは長時間負荷をかけた後にとったので仕方ない状態です。この点は無視で。
それ以外を見てみると、電源投入回数が479回、稼働時間が6616時間、書き込みが1410GB、読み込み13908GBがわかりやすい指標ですね。おそらくこのデータを見る感じ、これは展示機上がりだと思われます。
そう思われる理由として決定的なのはやはり稼働時間でしょう。稼働時間は個人の返品由来とは思えないほど使われていますね。6616/8(一般的な労働時間)=827[稼働日]と考えると納得のいく数値です。2024年3月に配備されて、最近まで展示機として使われていたんでしょう。というのも、MSI CLAWの新型機が執筆前に出ていたので、おそらく新型機と入れ替えみたいな感じでメーカに返却されたのでしょう。
それ以外にも書き込みに対して多い読み出し量からも、おそらく展示用のゲームなどを入れてそれ以外は起動して、シャットダウンしてを繰り返していたのでしょう。
時間や読み込み量を見ると結構使われている感じがするかと思いますが、一番大事なのは書き込み量で、これが1400GB程度となるとかなり良品です。我が家でぶん回されているSSDは1か月ほどでその書き込み量に達しますからね。
というわけでSSDを見ると素性が推察でき、そこまで程度の悪い個体出ないように思います。
バッテリー
バッテリー劣化具合がほかのところと比べると程度が悪いです。ざっくり最初と比べて78%程度の容量になっているようです。。バッテリーがWindowsに出力している値が正しければですが。
調べるにはWindowsの標準の機能のpowercfgからバッテリーレポートを発行して確認します。ちなみに騙されてはいけないのが、買った直後の値です。状況によっては容量学習が正常ができていないことがあり、それだと正しい劣化具合がわかりません。
特に今回のような展示機ともなるとおそらく学習条件にはまっていない可能性があるので要注意です。私は仕事上Li-ionバッテリーに関しても扱う機会があるのですが、BMS(Battery Management System)はバッテリーの状況を適切に管理するために、条件にはまった時に自動で校正をおこなったりします。この校正を行う条件というのが、バッテリーをどこまで使い切ったときに、みたいな条件になっている場合があり、展示機にように常時AC接続されていると、学習条件にはまらず正しくバッテリーの劣化具合が把握できない場合があります。
そして買った最初のタイミングで出したバッテリーレポートを眺めてみます。
| DESIGN CAPACITY | 52,826 mWh |
| FULL CHARGE CAPACITY | 49,180 mWh |
となっています。97%程度の容量を持っていることになりますが、使用履歴を眺めてみると、2024年3月、つまり発売日から使われていた痕跡があるのですが、そのあと数年の間は電源が入っていないことになります。しかし、2024年から使用されていてそこまでバッテリーが劣化していないのは、ノートPCに使う現代の電池ではありえないレベルの性能です。そして、SSDの読み出し量が使った時間に対して多すぎるので、リカバリーのポイントみたなのあるパターンな気がします。というわけで間の使われ方がバッテリーからは読み出せませんでしたが、SSDから予想する展示機説を念頭にバッテリーを放電→満充電させて学習できると思われる環境におこう…と思ったのですが、どうもMSIには標準でバッテリー校正機能があるようです。

というわけでこれを実行してみると、3時間ぐらい持っていかれました。満充電→放電→充電なので当然なんですが、メーカ公式で時間のかかる正攻法でキャリブレーションをするとは思っていなかったのと、時間かかるよ的な注意もなかったのでびっくりしてしまいました。というわけで校正して何度か使った後の結果がこれです。
| DESIGN CAPACITY | 52,826 mWh |
| FULL CHARGE CAPACITY | 41,448 mWh |
という感じで最初の78%の性能しかありません。これが妥当なのかといわれると、年数に対して劣化が進んでいる印象です。あとはこのバッテリーは本来54.5Whが標準容量のようなので、最初から規格上下振れからの劣化が進んでいることになるので、やや微妙な気持ちになります。しかも、元がこれなので、保証期間3か月の間にもっと劣化は進むでしょうし、そこまで使えてればメーカーとして逃げ切り見たいか感じですかね…
総評として、バッテリーの状態は中古品として考えると普通かなという程度ですが、メーカー整備済み品を名乗るには状態が悪いというのが正直なところです。この劣化値の基準がわからんという方のために紹介すると、一般的にiPhoneは80%を下回ったら交換、と言われています。それを下回っているわけです。厳密にいえばバッテリー電圧が違うので、一概にそうも言えないですが、その目安からみれば結構微妙なことがわかるかと思います。
なお、自分の使い方は充電器の届く距離でゴロゴロしながら使いたいのと、実家への帰省時に持ち帰って電源のある環境で使うのでそこまで気にしませんが、外で使うノートPCで電池持ちを気にする場合はあまりお勧めできないなと思いました。個人的にはどうせ保証3か月だし、バッテリーがダメになったら分解して交換すればいいかぐらいに思っている節がありますが、普通はそんな考えにならないと思います。
結論はMSI整備済み品(再生品)のバッテリーは劣化している可能性があると思っていたほうがいいです。また、これが検査に正常に合格した品だというのであれば、割と劣化の進んだ電池でも検査を通す程度の基準しか持ち合わせていないと考えたほうがいいです。
MSIとソフマップに問い合わせてみる
とはいえ、やはり買った最初から80%を下回っているのはやはりモヤモヤポイント。Amazonなんかで中古品販売をするときの規定を調べてみると、PCは80%以上のバッテリー性能でしか販売は認められないような表記にも見えます。
実はソフマップで購入した際にメーカー整備品であることは表記がありましたが、コンディションとしては「新品」として販売されt例ました。そうなると、80%を下回っているにも関わらず「新品」と言われるのには違和感もあります。やはり気になったので、バッテリー状態が適切か、また交換の対応がしてもらえないのかをMSI、ソフマップの両者に確認してみました。
なお、バッテリーの性能の確認についてはMSIのバッテリー較正をして、バッテリーレポートを確認する、というので間違いないとMSIから回答をいただいています。その結果、MSIとしては出荷基準は満たしているから問題ないという回答、ソフマップとしてもメーカー(MSI)が品質基準内だと言っているから問題ないという回答でした。
書き方が悪くなりますが、MSIは中古品の劣化具合としても良くないバッテリー状態を品質基準内で整備品だと言い張り、ソフマップはその微妙な品質のものを「新品」カテゴリーで販売し品質基準については精査しないというところでしょうか。個人的にはソフマップも基準については確認するべきだと思いますし、MSIも品質基準は見直した方が良いのではないかと思わざるを得ませんでした。
まとめ
バッテリー以外は状態が良かったと、自分の使い方を考えるとそこまで困らないので総評としてはある程度満足ですが、人を選ぶと思いました。自分は比較的全般の知識があるので、判断がつきますが、そうでない人は見た目だけはキレイな不良品すれすれのものをつかまさせる可能性もあるのかなと思いました。
客観的な意見だと微妙というのがありそうな気もしますが、個人的な使い方で困らないのと、値段で目をつむれるくらいの反中かなと思わんでもないです。同じ金額を出すなら、メーカ整備済み品よりも、下位モデルの新品のほうがいいという人も多いような気もする状態でした。これは値付けがいいという話よりも、整備済み品でこの程度の性能のものを売っていいのか、という天秤の話なのかなと思いました。
MSI整備済み品はおすすめかどうかは、パソコンをわかっている人にはおすすめ、そうでない人にはおすすめできないなと思いました。一方、外装やSSDなど、比較的データとして取りやすい部分に関してはちゃんと判断されているのではないかと思いました。バッテリーのようなデータがとりにくい部分に関しては疑ってかかって購入したほうがいいように思います。おそらくバッテリーをちゃんと調べるのは時間がかかるので、整備済み品とするにしてもその時間と割に合わないからちゃんと調べていないとかが真相ではないかとも思うので。
というわけで、MSIの整備済み品の話でした。個人的にはいいものは手に入ったと思うので今のバッテリーがダメになったら自分で新しいバッテリーに交換して使いたいと思います。ただ、MSIの品質基準の低さとソフマップの品質管理の甘さは今後も気を付けようかと思いました。