キャリパーブレーキのアーチ長が足りない!ロングアーチブレーキとオフセットブレーキシューの比較の話

ブレーキはシマノ一択!それ以外のメーカーは止まらない!みたいな話を聞いたことはないでしょうか。某K社のはだめだからすぐに交換するとかっていう話も聞きますよね。

そんなブレーキにまつわる話題なのですが、キャリパーブレーキを交換したらブレーキ面にシューが届かない!となってそこで初めてロングアーチブレーキの存在を知った方も多いのではないかと思います。ブレーキ面にシューが届かないときの対処法としてオフセットブレーキシューへの交換が掲載されているわけですが、今回はこのオフセットブレーキシューについてお話したいと思います。

目次

オフセットブレーキシューとは

オフセットブレーキシューとはロングアーチブレーキを必要とするフレームにアーチサイズの足りないブレーキを無理やり取り付けるための製品です。

取り付けるとこんな感じです。

オフセットブレーキシューを取り付けたBR-R8000

アームの終端より下にシューが来ているのがわかるでしょうか。ねじで止めている位置がシューよりも上にあるのが特徴です。

余談ですが、私のフレームはFUJIのSportif 2.3LEといいうものですが、もともとはロングアーチブレーキがついていてほかの人がBR-5800に交換したけど問題なかったみたいな話を掲載していたので交換してみたのですがBR-R8000では前側のアーチの長さが足りませんでした…後ろはタイヤにあたりそうなぐらいギリギリで取り付けれないことはなかったのですが、怖かったので後ろもオフセットブレーキシューにしました。

こんな感じで、取り付けるときにタイヤにあたりそうとか、ブレーキ面に届かないといったときに使うのがオフセットブレーキシューです。

ロングアーチキャリパーブレーキについて

ロングアーチキャリパーブレーキはその名前の通りアーチが長いキャリパーブレーキのことを言います。

世間一般では今は51mmぐらいまでの長さのを普通のキャリパーブレーキと呼んでいて、ロングアーチと呼ばれるようなものは大体それより長いもので、57mmぐらいのものが多いです。61mmぐらいのも見たことがある気がします。

たったこの数ミリで取り付けれるかそうでないかが決まってしまいます。だからこそ数ミリぐらい削っても大丈夫だと考えて51mmのアームを削って無理やりつけようとしている方もいますが、当然ながらこの行為はおすすめできません。最悪アームが折れてしまったり割れてしまうことが考えられます。

そもそもなんでロングアーチのものが存在するのか

規格として統一してくれたほうがわかりやすいと思う方がほとんどだと思いますが、自転車の使い方は人それぞれです。それゆえロングアーチというものが存在しているのです。

というのも、ロングアーチだと何がいいのかというと、タイヤとフォークの間にスペースができます。上で掲載した写真でも結構余裕があるのがわかると思います。キャリパーブレーキは決してロードバイクでしか使われないブレーキというわけではありません。レース以外でもツーリングや極端な使い方であれば日本一周や、大陸横断をするのに使うような自転車にもついています。なのでフォークとタイヤの間に余裕があったほうがいい自転車というのは多くあります。一番わかりやすいものでいうと泥除けを付けることができるロードバイクはロングアーチのものがほとんどです。ちなみに私の乗っているロードもツーリング用なので泥除け用の取付穴もあります。

そんな色々な理由があってロングアーチのキャリパーブレーキというものが存在しているわけです。

それぞれのメリットデメリット

ショートアーチのキャリパーブレーキを買ってしまったという前提で書きます。

オフセットブレーキシューを使うメリット

  • 買ったブレーキをそのまま活かせる
  • 値段もそこまで高くない

オフセットブレーキシューを使うデメリット

  • 効きが普通のシューに比べて格段に悪い
  • 取付、調整が普通のものに比べると難しい

オフセットブレーキシューを使うメリットは価格面ではいいことが多いのですが、ブレーキを変える目的が大半の場合はブレーキの効きをよくしたいということを考えると本末転倒な気がします。価格よりも安心を取ったからこそお金をかけてブレーキを変えようと思ったはずし。ちなみに後で書きますがかなり効きは悪くなります。体感ではっきり違います。

逆にロングアーチブレーキを使用した場合はこんな感じです。

ロングアーチブレーキを使うメリット

  • ブレーキの効きがいい

ロングアーチブレーキを使うデメリット

  • またブレーキを買いなおさないといけないので高くつく

まだブレーキを変えていない場合は、買うのであればロングアーチブレーキに変えることを強くお勧めします。ブレーキの効きがいいという一点にメリットは尽きるのですが、ブレーキに不満があるから変えると思うので、このメリットだけでもロングアーチブレーキを選ぶ理由になると思います。ただ、良いブレーキは高いです。TRPのRG957は定価で23,000円ほどします。ブレーキの効きはお金には代えることはできないのでお金を出してでもロングアーチに変える価値があると思っています。

持っているもので比較してみた

ここからは体感の話になります。剛性が落ちるとか試してもない人が言っても仕方ないと思うので比較してみます。

ちなみにレバーはST-2400なので現行製品とテコの位置が違うので他のレバーでのブレーキのかけ心地も握り心地も全然違いますが、全部試した環境はそろえているので問題はないかと思います。

簡単に比較できたものでいうとオフセットブレーキシューを使うか使わないかでの効きの違いです。BR-R8000(ULTEGRAのブレーキ)でリア側で試しました。純正ブレーキシューを使った場合と、HTR(ハットリスポーツ)製のブレーキシューを使いました。冒頭の写真についていたやつです。オフセット量は10mmとなっています。今はこの製品は販売されておらず、放熱用のフィンの付いた新しいモデルが今も販売されていて、2,800円ほどで購入できます。

まず純正のブレーキを使った場合ですがあまりにもブレーキ面にギリギリでシューとの接地面積が半分ぐらいだったのですがそれでもオフセットブレーキシューよりもブレーキが効きます。割とブラケットポジションでの軽い力で後輪側をロックできるぐらいには効きました。

一方でオフセットブレーキシューを使った場合なのですが、ブレーキをかけたときにすぐにあれ?となるぐらいには効きが悪くなっています。結構力を入れないとピタッと止まってくれません。リア側をロックしようと思うとブラケットポジションで相当力を込めてブレーキを握らないときついです。こんなに違うものかと乗って驚きました。

握った感じだとどちらもゆがむ感じがあるのですが、純正シューだとゆがんだ分だけ力が全部伝わってくれている感じがして、それに合わせてブレーキの強さも変わってくれるかんじなのですが、オフセットブレーキシューはシューのほうがブレーキをかけたときに歪んでいるのが目視で分かります。一言でいうと「剛性がない」ということですね。シューが歪んで力を吸収してしまうため効かなくなったように感じていると考えられます。

次はオフセットブレーキシューを付けたBR-R8000(ULTEGRAのブレーキ)とULTEGRAグレードのシューを装備したBR-R451で比較しました。R650は持っていないので試せません。ちなみに規格の話になりますが、BR-R451はSUPER SLRという規格に対応していて、ST-2400はNew SUPER SLRという規格になっていて、この二つを組み合わせると本来の性能を引き出せない、つまりブレーキの効きが弱くなる(厳密には引き量の話なので一概にそう言えるわけではないのです)組み合わせです。なので組み合わせ的にもBR-R8000のほうが有利な比較になっています。

BR-R451の方を使ってみるとびっくりしました。「しっかり効くじゃん」と思いました。ULTEGRA純正の組み合わせには遠く及ばない感じではありましたが、BR-R8000+オフセットブレーキシューよりもBR-R451のほうがブレーキが効きます。スピードコントロールもBR-R451のほうがしやすかったです。

なぜこうなってしまったのかは上に書いてあるようにオフセットブレーキシューの剛性不足から来ています。普通のゴムの塊のシューから金属のホルダーのカートリッジシューにするとブレーキの利きが良くなったなんて話もありますがあれも同じようにシューの剛性に起因しています。

私も昔はシューの剛性?そんなのわからないでしょ、シューが違ってゴムが違うからそう感じるだけでしょって思っていたのですが、オフセットブレーキシューを使うとシューの剛性でブレーキの効きはこうも変わるのだと思わされます。なんせブレーキシューは同じものを使いまわしているので全く同じものなので違うのはシューしかありませんから認めざるを得ないわけです。

私の実体験で言えることはこれぐらいです。

おすすめのロングアーチキャリパーブレーキ

ロングアーチのほうがおすすめというのは伝わったかと思うのですが、ロングアーチのものはそんなに数は出回っていないので2つだけおすすめを紹介しておきます。

  • SHIMANO BR-R451
  • TRP RG-957

BR-R451は通販価格で前後セットで6000円ほどのブレーキです。とりあえずシマノのブレーキに変えたいといった方にお勧めです。標準のシューでは少し効きが悪いので、ULTEGRAや105相当のシューに変えるのがいいと思います。グレード的には型番からするとTIAGRA相当ですね

RG957は某社のレーシングブランドで良いブレーキを作っているTRPというところのブレーキです。国内で取り扱いのあるロングアーチキャリパーブレーキでは一番効くと噂されています。定価は23,000円ほどと高級品。しかし効きは良いみたいなのでいつか私のロードバイクもこれに交換したいです。

ちなみに、割と最近までSHIMANO BR-R650という製品があったのですが廃盤になりSHIMANOのロングアーチブレーキはBR-R451のみとなっていて、ハイエンドロングアーチブレーキはTRP RG957一択ともいえる状況になっています。現行製品で探しても実はこの二つ以外はあまりいいものがありません。ラインナップの少なさからしてロングアーチもゆくゆくは消えていく運命なのでしょう。最近は普通のロードバイクでロングアーチキャリパーブレーキがついているのも減りましたしね。

まとめ

ロングアーチしかつかないフレームならロングアーチのブレーキで交換したほうが絶対に幸せになれます。オフセットブレーキシューは通常ではよく効くと言われているBR-R8000を合わせて使ったとしても、ロングアーチのブレーキには勝てませんでした。私の実体験的には絶対にロングアーチをお勧めします。もしかしたらオフセット量が小さいものや違う素材、メーカーのものなら変わってくるのかもしれませんが、あくまで私の場合は思ったよりもよくない結果だったということです。

みなさんのブレーキ交換の後押しになれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。

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