ライザーカードの不良。グラボが認識しないなと思ったら、目に見えてダメなところがあった話。

おそらくマイニングリグやマイニングPCを組んでいるとどこかで1回は「グラボが認識しない」ということがあったかと思います。当然こういったことはないに越したことはないのですが、やはりいろんな部品を組み合わせる以上はそうもいかず。

OSやマザーボードの制約でそうもいかないということも多いですが、場合によってはライザーカードに不良があることも。

でも不良ということは電気的に通電していなったり、チップの不良だったり原因は色々考えられます。そんな中で、今回はこんな症状でした、こんな目に見えるところにも目を光らせてみるといいですよというお話です。

目次

当時の構成

当時の構成はこんな感じでした。

  • Windows 10 Pro
  • Athlon 3000G
  • BIOSTAR B450GT3
  • DDR4-2666 2*4GB
  • 玄人志向 Radeon RX6800 XT
  • ASUS ROG RTX3080
  • FPS HS-750 750W電源

そしてグラボは2枚なのでとりあえずPCIeスロットに直接さしていました。

しかし、グラボ同士があまりにも近いので、不安になってグラボの距離に余裕を持つためにライザーカードを導入することになりました。

とりあえず、ライザーカードをマザボの一番下にさして、本体のスロットには1枚だけグラボを残しておくことにします。

組み上げる前の状態

この一番下のスロットにライザーカードを、そして、銀のスロットには直接グラボを指すということですね。

そして、今回使用するライザーカードはこちら。

今回使用するライザーカード

AliexpressなんかではVer 009Sみたいな名前で売っているライザーカードです。特徴としては黒赤という色以外に、ペリフェラル4pinか2つのうちどちらかのPCIe補助電源6pinを電源供給に使うか、ということです。6pinの方は向きや場所が違って状況に合わせて選べるのがいいですね。

ちなみにですが、日本のAmazonで購入したのですが、1800円弱しました。Aliexpressだと遅いので納期重視で頼んだとはいえ3倍弱の金額と思うと悲しいです。しかし結果としてはこいつが不良だったんです…

買ったやつはこれですね。不良品じゃなかったら間違いなく一番のライザーカードです。青いやつとかよりも品質的にはいいイメージです。

ちなみに今回はRX6800 XTの方を本体の方に、RTX3080をライザーカードの方にさすことにしています。

発生した不具合

さて、組みつけも終えたら後は起動するだけなので起動します。構成の変更になるのでいったんBIOSリセットがかかりました。

そしてWindowsが立ち上がったものの、RTX3080が正常に動作しない状態になっていました。具体的にはデバイスマネージャーを開いてみると黄色のビックリマーク。

プロパティを開いてみると、「問題が発生したのでこのデバイスは停止しました(コード43)」とのこと。

どうも調べてみると色々な原因が考えられるとのこと。OSの仮想メモリの設定がどうだとか、電力供給が~とか書いてありました。もちろんライザーケーブルの不良ということも触れてあります。

でもここは、困ったときのとりあえずの再起動ということで、再起動をしたら今度は認識すらしなくなりました。デバイスマネージャに表示すらされません。

何かがおかしい。というわけでありえそうなことを考えていきました。

まず電源の容量不足ですがこれはほぼあり得ないですね。どれだけ全力で動かしても消費電力が750Wをこえるわけではありませんし、マイニング時の消費電力でも450Wぐらいなので相当余裕があります。

次に接続が甘いのではというやつ。PCIe x1にはロックなどもないためUSBのケーブルを動かすだけでもあスロットにさしているPCIe x1のカードがぐらぐらします。しっかり刺さっているのを確認して、しっかり固定してやっても結果は変わらずでした。

その次はグラボのさしすぎで安定してないというのですが、これも枚数的にあり得ません。それに加えてGen1だとかGen2だとかのリンクスピードですが、これも問題ありません。全部Gen2 動作になっているので問題ないはず。ただ、私のマザボはどこにもGenの設定項目がないのでGen1に設定するというのができないのが非常に惜しいところ。BIOSに関しては買ってみないとわからないので、設定できないことに関しては後の祭りといった感じです。

あとは、ライザーカードにも相性があるらしいですが、その場合はスロットを変えれば動くことが多いと思います。とりあえず違うスロットにさしてみましたが認識しなかったので、これもなさそう。

ということは、ライザーカードの不良かなということになり、手持ちの部品で検証してみることにします。

あまり部品PCI x1のやつ

私はRaspberry Piに「PX-W3PE4」というPCIEx1のテレビチューナーカードをUSBで無理やり使うという、変わった構成のガジェットが家に転がっているため、ライザーのx16スロットの方だけ使って、こっちのx1の方は使わずじまいだったので引っ張り出してきました。

青い方が3年ぐらい前のマイニングブームの時のあまり部品ですね。黒い方が今回のやつです。

ちなみに裏面はこんな感じです。

裏面

裏面の構成が多少違います。USBのレセプタクル(メス側のことです)のピンのつけ方が違うタイプですね。

黒い方が下にピンが伸びているタイプで、比較的大きな穴にできるのではんだ付けはしやすいタイプです。まあ機械でやるからそんなに大きく変わらないと思います。

青い方は上側にピンが全部出ているタイプで一つ一つのピンが細いタイプです。

表面に実装

わかりにくいと思いますが、これは表面に全部配線を取りまわすタイプで見ての通り配線の感覚が狭く、ピンも細いため多少の精度が求められるはんだ付けになります。とはいえ、機械でやるでしょうから、不良まみれになることは少ないと思われます。

こっちの青い方が古いのにコストがかかってそうなつくりになっていて、黒い方がコストがかかっていなそうなのは、単純にコストカットだと思います。

見た感じでも青い方がはんだ付けなども綺麗です。逆に黒い方は人が直接やっているのか?というぐらいには汚いです。

さてこれを使って原因が何か探ってみようと思います。

不良発見!

ライザーカードのx16の本体を交換してもよかったのですが、ライザーカードのどの部品が悪いか切り分けるために、今回は先ほどの青い部品を使って切り分けていきます。

まあケーブルやx1の部品を交換してそれでもだめならx16スロットのついたライザーカードの部品が悪い可能性が高いと切り分けられますからね。

というわけで、とりあえずUSB3.0ケーブルと黒い当初のx1部品を交換してみます。すると無事に認識しました

これはこのx1の部品かUSBケーブルのどちらかが悪い可能性が高いです。この部品だと相性なんてないでしょう。ただの配線とUSBケーブルですからね。ないとは言い切れませんが…

というわけでさらに切り分けを行いますが、一般的によく見られる傾向としては、USB3.0ケーブルが不良である可能性が高いです。ケーブルを交換したら安定するようになった、認識するようになったという話をよく聞きます。

場合によってはUSB接続部分のどこかにフラックスが残っていてダメな場合があるみたいですが、これも不良っちゃ不良です。ですが、手持ちの物でなんとかできそうなので、とりあえずパーツクリーナーをぶっかけてフラックスのせいというのは無いようにしておきました。

さて、USBケーブルを交換してみます。すると、最初のケーブルでも認識しました。ということは、PCIe x1の部品の方に問題が…?

さすがにここまで来たら間違いないと思うので、部品をよく見てみます。どこに原因になりそうなものがあるか。接点のコネクタ部分を見てみても、パターンが剥がれていたり、フラックスがついていて絶縁されているみたいな様子もありません。

ちなみに、元からコネクタの部分には接続されていない端子が存在するみたいですが、これは青い部品と見比べて問題がないかを確認しました。

結果的にはPCIeの接続部分には問題はありません。なのでUSBの接続部分かなと思い、レセプタクル側をよく見てみてもこれと言って異常はなさそう。

ということは、どこかで電気的に切れているのかとも思いましたが、それだとそもそも一度も認識しなそうな気がします。電源は別で取っているので、データバスさえつながっていればいいわけですからね。ただ、一度はRTX3080としてWindowsが認識しているので電気的にどこかで切れているなんてことはなさそう。

パターンは削ってみないとわからないし、どっかで配線が切れているんだろうなと思ってふとはんだ付けしている部分を見てみると、こんな感じになっていました。

はんだ付けしているピンの一番下に注目!

信号などのピンの一番下のところを見てみると、なんと「はんだブリッジ」になっております

どおりでおかしな挙動になるわけです。一度は認識したのは信号が混じってしまっている中、かろうじてデバイスの情報だけ正しく読み込めたってところですかね。

適当なはんだ付けだと気付いたのは後になってからですが、これはさすがに酷いような。調べてみると、はんだがのっていない、クラックしているなんて話もあるみたいなので、はんだ部分の不良はあるあるみたいですね。

よく家電などであるのがはんだがクラックして故障ってパターンなので、完全に初期不良のはんだブリッジは珍しい気がします。値段が値段なので出荷前にテストとかやってないんでしょうね。仕方ない気はします。

結局これと戯れている間にAliexpressで頼んでいた他のライザーカードが届いたので、Amazonに返品することになりました。

この手の部品ってどこが不良かわからないがために、返品してもいいかとか、出品者に文句を言いにくい状況になりやすいです。しかも相性問題もありますからね。ですが、今回は明確な不良があったので問答無用で返品できます。

やっぱりこういうことがあるからこそ、予備の部品は持っておくに越したことはないなと思いました。

まとめ

ライザーカードの不良についてのお話でした。相性問題やコネクタが緩くて認識しないということもあるでしょう。特に後者は多いかな。

しかし、実際のところライザーカードの不良もたくさんあるわけで、原因を切り分けるのには時間がかかります。なので、今回のように色々検証するよりは、他のライザーカードを試すのが一番早くて良いと思います。

おとなしく予備のパーツを持っておくのが一番ですね。トラブルもさっと解決できますし、時間的損失も減らせます。予備がないという方は、予備を用意しておくのがおすすめですよ。

以上です。お読みいただきありがとうございました。

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