TFTJ-MLC032Gのベンチマークや耐久性などの長期レビュー!MLCチップ採用の高耐久カード

表面の写真

Raspberry Pi用にコスパのいい丈夫なmicroSDカードを探す旅をしていました。過去形になっていますが、自分にとっては答えが見つかったからなのですが、その道中で見つけた、TEAM GROUPのMLCチップ採用のmicroSDカード、TFTJ-MLC032Gのレビューです。型番で書いていますが、具体的に製品に名前がないので型番で表記をしていきます。

ではレビューをしていきます。

目次

TFTJ-MLC032Gの特徴

このカードの特徴は何といってもMLCチップ採用という点でしょう。MLCチップはごくごく普通のmicroSDカードに採用されている記憶用のチップに比べて高い耐久性を誇るチップで、一般的にその差は10倍程度書き込み耐性があるとされています。これによって高い耐久性を実現し、安定性を強化できるわけです。しかしこのMLCチップは高価であるという欠点があるのですが、なんとこのmicroSDカードは約1500円ほどで32GBの容量のものを購入でき、セールの時は1100円前後で入手できます。MLCチップ採用の割には安いというところが本製品TFTJ-MLC032Gのいいところです。

公称値

読み/書きの速度については公表されていないようです。公式サイトは見当たらず、通販のサイトにも記述はありませんでした。

しかしながら珍しく書き換え回数に関する記述はありました。書き換え上限目安が7000回とのことです。

これから考察すると、そのNANDあたり7000回と解釈すれば、32GBx7000=224000GB=224TBとなるので単純計算でのTBWは32GBの製品で224TBと考えられます。実際に使用できる容量を考えると、200TBW前後が実際の耐久性なのかと考えています。スペック上は非常に丈夫なmicroSDだと考えられます。

最後に写真を掲載しておきますね。

表面の写真
台湾製であることがわかる。

写真の通りですが、台湾製となっています。個人的に台湾は大好きなのでいい結果を出してほしいなと思っています。

TFTJ-MLC032Gのベンチマーク、耐久性など

ベンチマークは以下のようになりました。ちなみに少し使った後に取ったデータなので新品時のデータではありません。SDカードリーダにはUSB3.対応のBSCR27U3を用い、PCはRyzen 9 3900X + X570 taichiの環境で行ったためボトルネックは基本的に発生しないものとして考えています。

TFTJ-MLC032Gのベンチマーク

上記のデータを見ると、シーケンシャル96MB/sとランダム8.8MB/sという読み込みは優秀ですが、シーケンシャル22MB/sとランダム1MB/s書き込みは遅い結果になっています。悲惨とは言いませんがシーケンシャルの書き込みが遅めです。ランダムに至っては厳しい結果になりました。動画ファイルを書き込むのにも100MBを書き込むのに5秒近くかかってしまいます。一般的なmicroSDであれば2秒ぐらいで終わるものが一般的なので遅いのがわかっていただけると思います。実際のところは、スマホなどの動画ファイルは数GBのものも多いので、コピーしようとするとその差はさらに広がります。

ここからは憶測になるのですが、シーケンシャルライトは遅すぎるなというのが正直なところなので、もしかしたらコントローラで制限をかけているのかもしれません。前にレビューしたSanDisk Industrial microSDカードの旧モデルなんかは読み書きを20MB/sに制限していたので、制限していないとは言い切れません。速度を下げることでデータの書き込みをエラーなく確実にする意図があったとのことなので、そういった意図で制限をかけている可能性があります。売り文句が、ドライブレコーダなどにおすすめとのことなので、確実なデータ記録が最優先なのかもしれません。

耐久性については文句なしです。1年間Raspberry Pi用にOSを書き込んで1年ほど使いましたが、壊れていません。さらなる耐久性は未知数ですが、あと2年ぐらいは持ってほしいですね。

総評

書き込みには不安はあるものの、当初の目的である高い耐久性は間違いない。読み込みは早い部類に入るので、例えば車載用の音楽用microSDみたいな過酷な環境で、書き込みはほとんどせず、読み込みばかりの場合は価格も安いため非常におすすめ。書き込みは遅いと評価したものの、ドライブレコーダなどの単一ファイルを書き込むような使い方であれば全く問題ないのでそういった用途にもおすすめです。ただしランダムアクセスを多用する用途、例えばOSを書き込こんで使用するのには向かないなというのがデータを取った感想です。しかしながら、実際OSを書き込んで使ってみるとほかの書き込みの早いmicroSDカードとの違いが判らないです。microSDカードだとやっぱり遅いのは仕方ないというところなのでしょう。なので価格を抑えつつ耐久性の高いmicroSDカードが欲しいというのであればRaspberry PiのOS用にもおすすめです。私は早さをあまり求めない環境でこのTFTJ-MLC032Gを使用しています。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です