B.C.7/16やB.C.3/8等のナット(ねじ)について。魔改造するならいつかは知らなければならない規格の話

最近、筆者の一人がはまっているのがアウトランクの改造。そんな中で色々触って初めて知ったこと、知らなければできなかったことなど、自分が知らなかった世界が広がっていくようで楽しいです。

アウトランクに内装ハブを付けて変速できるようにしようなんて言う時点で一般の方から見れば相当に酔狂だとは思うのですが、その組み付けでは微妙な問題がありました。それがチェーンラインの問題。なんでチェーンラインに問題が出ているのかは今回深く話しません。

簡単に言えば、クランクも変えて、ハブを変えて、しかも純正ではないコグを取り付けたことによってチェーンラインが微妙に狂っているというのがアウトランクの状況でした。多段変速チェーンなら気にしないでも良い程度なのですが、今回はシングルスピードで厚歯コグということもあり、少しでもチェーンラインを適正化したいというのもあります。

一般的にこのチェーンラインの問題が出た場合は、クランクやチェーンリング、BBなどの軸長を変えて対処する場合が殆どです。というよりも、できる場合が殆どといったほうが良いですね。

ですが、改造に使った部品には歯数など絶対譲れないものがあり、かつ、クランク周りの位置を変更するとなると、今度はチェーンがフレームに干渉する状態になっていてクランク周りの変更では対処しようがなくなっていたのです。もうやれることがないのかというとそういうわけではありません。

これが今回の題名にも関係がある、ハブ寸法を変更してしまうという方法です。ハブ寸法を変更することで普通なら取り付けられないハブを取り付けたりすることができるようになるというのが、本当の改造の目的だったりします。

ですが、それ以外にも今回の私のようにチェーンラインを強引にそろえるのに使える場合なんかもあったりします。何をしてチェーンラインをずらすのかというと、ナットなどのハブについている部品を薄くすることでコグの位置を強引に変えてしまいます。

ハブ寸法を変えるにはハブナットやロックナットの知識が必要不可欠なので、その際に考えなければならない規格を必要最低限を簡単に解説するのがこの記事になります。

ここで、本題に戻ってくるのですが、ハブのナットを言うのは様々なか規格であふれている厄介な場所です。何より、酔狂なカスタムをする人がそういないので、ハブ軸やナットなどの情報が全くと言っていいほどないのです。

ここでは谷の深さみたいな話だったりとか、ねじピッチが具体的どうかなど、具体的な数字の話はあまりありません。こういうものがあるから、改造する人は気を付けて知っておこう的な記事にしたいからです。

さて、ここからは主な規格について解説していきます。主にとついているのは、例にもれず、特殊な車体やハブであれば特殊な規格であることが多いからですね。

さて、最初は一般的によく見る表記のM10の規格。これはホームセンターなんかでも販売されているような規格になります。M10というのは直径10mmの金属柱を切削ないしは転造を行うことでねじ山を用意しているものを指し、ねじピッチなどが工業規格で決められています。一般には後輪に用いられるケースが多く、スポーツ車のクイックリリース式のハブ軸がこの規格に適応する場合が多いです。あくまで多いというだけです。中華ハブなんかにはインチねじ中空シャフトとかいうパターンもあったりします。

次にM9。こちらは9mmの金属柱にねじを切ったものに適合するごく一般的な規格です。こちらも工業規格で定められたねじピッチで作られます。一般的な規格なので、ホームセンターなんかでも購入可能です。古い車体の前輪がこの場合が多いです。最近のロードでもまだあるかもしれません。

最近はスルーアクスルでM12というのもあります。これは上記と同じように12mmの金属柱を加工したものが適合するようなサイズのものです。

このM(数字)のものは一般にミリねじと呼ばれています。

ここまでは一般的な規格となっていて入手もしやすく、改造でもなんとでもなるという感じですが、ここからは簡単にいかない部分の話になります。それが題名にあるBC規格です。

そもそもこのB.C. 7/16などの先頭にB.C.が付くのは自転車専用の規格です。一般的な表記でもないですし、ほとんど意識することがない部分なので、知らない人も多いはずです。このBC規格の中でハブに使われているものを紹介します。ハブ以外にはスポークのねじなんかもこのB.C.規格に入っているため、ハブナットだけの規格というわけでもありません。ちなみにこちらはインチねじというものになります。以下では表記簡略化のために、B.C.をBCと表記します。

BCナットはぱっと見ではミリナットと区別がつかないため、ナット自体に刻印がある場合もあったりします。後述で書いていますが、BC規格でないナットが取付できてしまう場合もあります。それくらい厄介な規格でもあります。

BCの表記

まずBC 5/16について。これは一般車の前輪に使われる場合が多いです。これはミリねじで言うところのM9に相当するようなものですが、M9とはねじピッチが違います。なのでシャフトの太さが一緒でもナットを使いまわすことはできません。

次にBC 3/8について。これは一般車の後輪に使われることが多いです。ミリねじだとM10に相当するようなものです。これもねじピッチが微妙に違うのでナットを使いまわすことが基本的にはできません。この歯切れの悪い言い方は何かと思われるかもしれません。これは実際にやったことある方なら知っているかと思うのですが、本当に微妙にピッチが違うだけなので、ナットは同じものを使えないことは無いのです。あっていないとゆるゆるかキツキツかのどちらかになるという。なので、原則は使えない、どうしてもというときに使えるかもぐらいに思うのが良いかと思います。ハブは力のかかる部分なので、ねじピッチが合わないものはできる限り使わないに越したことはありません。

そして最後に、これこそ本当に見ることが少ないのですが、私はこれが必要になってしまい非常に苦労した規格で、BC 7/16という規格があります。これは。実用車など後輪に非常に負荷がかかる想定の自転車に取り付けられる場合があるサイズのもので、ミリねじだとM12に相当するようなサイズです。

正直、このBC 7/16なのですが、このハブ軸がついている車体を見たことありません。それぐらいレアなのです。ほとんどのナットはBC 3/8までなことが多いです。

左:BC 3/8
右:BC 7/16

ですが、普通は見ないだけで良く意識してみるとよく見るところに1か所だけ使われています。それが今回私がやらざるを得なかった部分で、ベルクランク方式の内装3段ユニットです。内装ユニットのコグを取り付ける部分のナットがBC 7/16なのです。内装ユニットの太くなっている部分ですね。細くなっている、車輪をフレームに固定する部分はBC 3/8です。あくまで右のロックナットの部分だけがBC 7/16ということです。逆側はBC 3/8ですし、強化ハブやより多段のものになると、BC 3/8のものばかりになります。不思議なことにベルクランク方式の内装3段のみがよくみるBC 7/16のナットを使うのです。玉押しだけBC 7/16というケースは、シマノのハブだとよくあるみたいですが、ロックナットは大体BC3/8です。長々書きましたが、それくらいBC 7/16という規格は珍しいです。ですが、これを私は薄くする必要があるという状況に陥ってしまいました。

結果的に色々探し回って純正よりも1.5mm薄いナットを見つけることができました。純正が6.2mmで見つけたのが4.5mmのものです。古い製品だと3mm物のがあったのですが、これが入手できるかは謎ですね。ネットで簡単に入手できたのが4.5mmだったというだけです。

上が6mm、下が4.5mm

どう探したのかという話なのですが、BC 7/16を使っていそうなハブを探して、ひたすら補修部品を探すのを繰り返しました。Web検索程度でBC 7/16ナットなんて調べてもそう簡単に出てくるものではありません。

ちなみに、BC規格のねじ周りは基本的にハブナットなどの形でこそ販売されはするものの、ホームセンターでナットのコーナーで簡単に手に入るようなものでもありません。基本的に自転車専用の規格なので当然と言えば当然です。なので、BC規格のナットが欲しいと思ったら、ハブの補修部品から基本的に探すことになります。結果的に時間はかかりますし、ハブの製品情報も頭の中にないと探しにくいので、慣れていないと非常に苦労するのは間違いありません。

まとめると、ハブに使われるナットの規格は主に6つです。以下のようになっています。

名称用途
M9主に古いスポーツ車の前輪
M10主にロードなどスポーツ車の後輪
M12主にスルーアクスルの車体
BC 5/16主に一般車の前輪のハブナット
BC 3/8主に一般車の後輪のハブナット
BC 7/16重荷積載車のハブナットなど
主な規格一覧

何かの参考になるかはわかりませんが、ハブ寸法を改造するという魔改造行為をするのであれば知らなければならない話なので、ひとまずは、こういう規格があるという基礎知識で知っておくのが良いと思います。

以上です。お読みいただきありがとうございました。

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