Rakuten WiFi Pocketの簡易レビュー。安定性に欠け、継続利用ならお勧めできない惜しい製品。突然電源が落ちたり接続が切れたり…

1月頃にRakuten Unlimited VIの発表があり、1GBま無料!持っているだけでは継続費用が掛からないということで楽天回線一つ契約してみることにしました。

その際、Rakuten miniにするか、今回レビューするRakuten WiFi Pocketにするかを悩んだのですが、Raspberry Piなどを使って色々な応用が利きそうだったので後者を選ぶことにしました。

結果を先に書いておくと、この記事執筆時点では、ほぼ無料で申し込めるので気軽に使ってみようということになりますが、もし有償であれば考え物です。そして、使ってみた感想は、これに本来の1万円弱を払うものではないなという感想ですね。

それではレビューしていきます。

目次

外観

楽天モバイルのSIMと一緒に頼みました。キャンペーン期間中だったのでこれで1円です。

申し込みから1週間ほど待たされて、当初の予定より少し遅れて自宅に届きました。新プランの発表以降、一気に申し込みが殺到したため遅れが生じていたみたいです。私もそんなときに申し込んだ一人ですしね。

箱が届いた!

そして箱を開けると中身にはこのようなものが入っていました。

内容物

Rakuten WiFi Pocketと、SIMカード、スタートガイドにチラシ2枚です。

届いたRakuten WiFi Pocketですが、結構しっかりした箱に入っています。おっして箱を開けると本体と付属品が姿を現します。

開封!

内容物は、本体、バッテリー、ACアダプター、USB充電ケーブル、スタートガイド、説明書です。

本体の説明書に従って裏ブタを開けてSIMカードをセットします。

端の

端のくぼみから開けます。そして開けるとこんな感じになっています。

裏ブタを開けたところ

SIMと書いているところにSIMカードを入れます。横にmicroSDカードスロットがありますが、今回は使用しません。ここにmicroSDカードを入れて、設定を行うとRakuten WiFi Pocketを使ってファイル共有ができます。そんな使うことのない機能かもしれませんが、あって損はないです。

バッテリー

付属のバッテリーはこれです。3.8V/3000Ah/11.4Wですね。製造元は「Shenzhen Harvilon Technology」とのこと。中国の会社かな。

さて、本体にSIMとバッテリーを入れれば、すぐに利用することが可能です。電源を入れて少しすると使えるようになりました。

それ以外の部分の写真を載せておきます。

表には大きく楽天のロゴ、裏面には楽天パンダがデザインされています。ボタンは電源ボタンと、WPSボタンの二つです。また、充電端子はUSB micro-Bと一昔前の端子ですね。Type-Cにしてもらったほうが将来的にもよかったのではないかと思います。

写真はこれぐらいにして、実際に私の目線で、できたら嬉しい設定などを紹介します。

バッテリーの交換について

その前に、気になったことを一つ紹介しておきます。バッテリーについてです。取り外し可能なバッテリーであることから、容易に交換が可能です。まず説明書を見てみます。

説明書

説明書の「充電について」の項を参照すると、交換バッテリーについては以下のような記述があります。

なお、電池パックの交換についてはお問い合わせ先(P.30)へご相談ください。

説明書より

とのこと。しかし、Rakuten WiFi Pocketのよくある質問のページの中には以下のような記述があります。

・電池交換可能ですか 取り外しができる為電池交換は可能ですが、別売りでの販売はございません。

https://network.mobile.rakuten.co.jp/faq/detail/00001954/

電池の消耗が極端に早くなったら交換時期ですとか言っておきながら、電池パックの「別売りでの販売はございません」とのこと。どういうこと…

修理の受け付けはしているみたいなので電池パックの交換をするのにもどっかに送って交換してもらえってことでしょうか。電池パックごときでそんなことするのは馬鹿馬鹿しいですね。

互換バッテリーが出てくれば良い選択肢になりそうですが、現状でのバッテリーの単体販売なしというのは本当に残念でなりません。

できる設定、使い方など

さて、私の考える用途としてはRaspberry Piに何かを監視させたりサーバー化させるのがいい用途だと思います。

なので、私目線でいうなら、できて欲しい設定としては、ポートフォワードあたりは一番欲しい機能です。

Rakuten WiFi Pocketはごくごく一般的なルーターとしての機能を備えているのでポートフォワードの機能やDMZの設定といった機能を持っています。SSIDやパスワードの変更もできます。

ただ気になったのが、管理画面のデフォルトのユーザー名とパスワードを変更する項目があたりませんでした。Webで調べてみても他の人も同様だったので間違いはないかと。今後のソフトウェアアップデートで変更できるようになればありがたいですね。

また、USB接続によってイーサネットアダプタ―として使用することができます。要はUSBからインターネットへ接続ができるので、WiFiの使用できないPCからでもUSBさえ繋げばインターネットにつなげられるようになります。

ただし、これができるのはWindows限定です。というのも、USB接続したときに、最初はRakuten WiFi Pocketがマスストレージデバイスとして認識され、その中のセットアップファイル(.exe拡張子)を起動する必要があるからです。

なので、Raspberry PiやLinuxの端末ではUSBケーブルで接続してからのインターネット接続はできません

ちなみに、Windowsでは一度セットアップを済ませれば、次からはUSBケーブルで接続すると自動でイーサネットアダプタとして機能するので初回にひと手間というだけです。

バッテリーレス駆動はできません

気になっている人が多いと思うのでこちらは大きく書いておきますが、バッテリーレス駆動はできません。当然実際にやって確かめました。

併せてUSBの仕様を確認しておくと、USB2.0に準拠しているので5V/500mAの給電ができれば問題ありません。当然この条件を満たす状態で使ったものの、ダメでした。

しっかりバッテリーを入れて、USB2.0のポートに接続して使い続ける分にはあるルールに従って使えます。バッテリーが痛むのが早くなるかもというのが説明書にも書いてあるので精神衛生上良くはないですが…

このあるルールというのはこちらの追記に書いています。

私が使う前に気になったことはこれぐらいなので、後は実際に使っていきます。

今回の使い方

仮想通貨のマイニングに使ってみることにします。安定していて継続的なインターネット接続が必要でありながら、そんなにスピードも必要ないですし、容量もそんなに使わないので実験にはもってこいです。

さらに、マイニングPCの発熱などもあるので、デバイスの安定性も併せて見れそうなのでこれを用いて実験します。

また、ネットワークの構成は実験の意味合いもあるので、少しだけ変わった接続にしました。

二台のPCを用います。一台はUSB接続でインターネット接続を行います。そしてもう1台はWiFiで接続します。なので合計でデバイスは二つ使いつつ、USB接続で充電を行いながら継続的に安定して運用できるかを評価します。

ちなみに、1台は前に私のブログで作った謎のITXマイニングPCです。ITXなのにグラボを2枚積みしたやばいやつです。どんなのを使ったのか気になる方は良ければ以下の記事も読んでみてください。

また、今回は使うパソコンは二台ともマイニングで全力で処理をするのでそれ相応に熱が出ます。真冬の暖房オフの部屋で、机の下で実験を行います。

つまり、最初は気温が低い状態でスタートしつつ、処理によってどんどん温度が上がっていくという感じになります。気温などの変化は調べていませんが、真夏の部屋に行かないぐらいの温度にはなってくれると思います。

というか、パソコンの排熱で温まった部屋程度で問題があったらそれはそれで問題ありなんですよね…

さて、この状態で実際に運用してみると、二つほど問題が出てきましたのでそちらを書き残しておきます。

突然電源が切れる

実際に使っていて、突然電源が切れることがわかりました。再現性があるので、間違いはないかと。これに関しては理由を調べてみると、説明書には突然電源が切れる症状についてはこのように書いてありました。

説明書から切り抜き

本製品の内部温度が上昇している可能性があります。

説明書より

ということらしいです。真冬の室温でパソコンの排熱ごときで温度が上がりすぎるようでは真夏が思いやられるのですが…

最初はこんな感じで置いていました。

こんな感じで使ってた

多少は暖かかくなるところなのでこれは確かに原因の一つにはなりえますね。なので置く場所を変えてみたところ突然電源が切れるということはなくなりました

しかし、置く場所によってはそんなに暖かくならないような場所でも突然電源が切れたりしていたので、温度に関しては結構シビアかもしれません

ポケットWIFIってバッグの中に入れておくことが多いと思うんですが、真夏のバッグの中だとアウトそうな感じです。普通の人はそんなの気にしないで使うでしょうから、夏場になると突然電源が切れたなんて報告が相次ぎそう…

ただ、私の場合は充電しながら使っているというのも多いに関係はあると思います。充電しながらだと温度が上がりやすいですしね

こんな感じなので、温度に関しては結構気を使わないといけなそうなので、充電をしながら継続運用をする場合は一層気を配る必要アリですね。

気を使わないといけない時点で継続運用には向かないのは間違いないと思います

また、これ以外に、理由が確認ができたわけではないのですが、場合によってはWindowsのシステムが不安定になるような場合でも突然電源が落ちてしまうケースもありあそうです。

というのも今回実験で使って2台のマイニングPCのうち1台は少々不安定でこちらにUSB接続でインターネット接続をしたところ、今まで温度的には問題ないような環境でも突然電源が切れていることがありました。

それに加えて突然ネットワークから切断されたりもしていたので、WindowsまたはUSB接続が不安定だとUSBケーブルで接続してインターネットに接続する以外にも、WiFiの方も不調になっているようです。

なので、給電が不安定でも本体の動作に支障をきたす可能性があります。これに関しては設計の問題でしょうが、全体的に見ても安定性に難ありです

(追記:2021/3/23)
現在の仕様として、パソコンのUSBポートで充電しながら24時間運用というのは難しいみたいです。どうも充電池が満タンになるまで充電されるとそのあとは充電が行われなくなるそうです。そのために2日程度で電源が切れてしまうとのこと。

WiFiのみでの運用であればECO充電ケーブルなどで満タンになる前に充電をやめさせて、減ってきたら自動で充電させるということをすれば24時間運用ができるみたいです。(追記ここまで)

突然接続が切れる

突然接続が切れてしまうこともあります。先ほどの電源が突然落ちる問題は解消しても、不定期に切れてしまいます。

理由は不明です。環境としては電波強度もいわゆる「5本」の状態なので問題はないはずです。しかしながら、なぜか接続が切れてしまうことがあります。

WiFiから切れているというよりは、その先のインターネット接続ができていない状態のようでした。(もしかしたら、WiFi接続の方も一時的に切れてそのあと不安定になっているのかもしれません)

これに関してはいつというのも規則性がないので謎ではあります。Rakutenの回線の問題かもしれません。ですが、1回切れたあとの復旧が上手くいっておらず、インターネット接続ができない状態が長く続くことがあるのでこれも安定性に難ありと言える部分です。

マイニングPCは常にオンラインである必要があり、そのステータスを確認できますが、一度切れると復旧しなくなっていたり、復旧しても不安定だったりしているので、楽天の回線そのものにも、Rakuten WiFi Pocketの両方に問題があるのではないかと踏んでいます。

ですが、突然接続が切れてしまうのは解決方法がわからず、継続運用は難しいと考えられます。

総評

ポケットWiFi端末用にというのであればおすすめはしません。別の端末の方が安定していると思います

Rakuten WiFi Pocketは上記で散々書いたように安定性に欠けているので継続運用にはおすすめできませんし、短期間でこれだけよくないところが見つかるぐらいなので、もっと使えば使うほどぼろが出ると思います。

まだ少し残っている1年無料キャンペーンのついでに、無料で貰う分にはいいと思います。良くも悪くも楽天の質が知れますし、機能的にはヘビーな使い方をしなければ問題は少ないともとれますからね。

もし、これがもとの1万円弱を払ってまで使うかと言われれば、その価値はないと思います。NECとかの方が良さそうですしね。それに加えて、バッテリーパックも交換できるのに単品販売はなしという楽天の怠慢が見えますし。

正直、Rakuten WiFi Pocketはいろんな意味で所詮は楽天だと思わされるようなものでした。回線や製品の質と言い残念です。

まあ、回線に関してはまだまだ新規参入のキャリアなのでいいとしても製品はまともなのをリリースしないと初期のAndroidのように悪いイメージだけついて、客が離れていくだけだと思うんですけどね。

競争が起こるのはいいことなのでぜひ頑張ってもらいたいですね。

以上です。お読みいただきありがとうございました。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です