CLARISの8Sコンポってだめなの?本当のところどうなのか自転車屋から見た感想

皆様ロードバイクを楽しんでおられますか。今日はロードバイクのコンポの話でもしようと思います。いろんなところでタイトルのような話は出ますが、自転車屋で勤める人間から見るとどうなのかという話です。色眼鏡なしで語っていこうと思います。

目次

ロードバイクとコンポーネントとその印象

コンポーネントは何かというのはここのページを読む方はご存じだと思いますが、一言で言えば変速機まわりのことですね。ギアの枚数とかがコンポーネントで決まるっていう。

このコンポーネントにもグレードというものがあって、グレードが違えばわかりやすいところでいうとギアの枚数が違ったり、重量が軽かったりといいものになればこういった項目が良くなっていくわけですね。

しかし、初めてロードバイクを買おうと思って調べていたり、はたまた買った後に調べていると「コンポーネントは105以上がいい、そうじゃないのはまともに走らん」的なことを書いてるサイトにも行きついたりするわけですね。まともに走らないとか厳しいということについては否定される方も多いとは思いますが。

基本的に完成車についているコンポーネントは全体の値段が安ければコンポーネントも安く、全体の値段が高ければコンポーネントの価格も高いグレードのものがついてくることが多いです。

このコンポーネントのほぼ最下位に属するのがSHIMANOのCLARISです。上述の通り安価な値段帯の自転車についてくることが多いものです。このCLARISについての話題が今回の話題です。ちなみに

CLARIS 2400

CLARISは安価な自転車についてくるせいもあり、普段使いとして使われたりあまざらしにされたりいい扱いを受けることは少ないです。エントリーグレードを買う方は初心者の方も多く扱い方や保管の仕方、「初心者」というイメージもあまりよくない印象を後押ししてしまうのだと思います。やそんなどうしても安価で雑なイメージがついてしますうためにあまりよくない評判を聞いたりするのだと私は思っています。

逆に高価な自転車についているフラッグシップモデルの「DURA-ACE」は雑に扱われることは少ないですし、レースなんかでも使われてすごくいいイメージしかないですね。

こういう扱う人、扱われ方によってもイメージや評判ってついてしまうと思うんです。もちろん実際の性能とは関係なくです。エントリー価格帯についているコンポーネントとしての宿命だと思います。ある意味自転車の値段によってイメージや印象が決まっているといえるのではないのかなと。

CLARISの狙うターゲット

さて、上述したようにあまりいいイメージを持たれないCLARISですが、どのような使い方、層をターゲットにしているのでしょう。

まずSHIMANO公式サイトを見てみます。現行の1世代前の2400シリーズはこんな風に書いています。

フィットネスバイクやツーリングバイク、さらにエントリーレベルのロードバイクなどCLARISシリーズは、幅広い用途をカバー。

SHIMANO 8スピードインデックスシステムによる正確で軽い変速やパワフルなブレーキ、スムーズな回転のハブなど上位機種から受け継いだ基本性能で、快適でストレスフリーなライディングを提供します。

SHIMANO公式サイトより

さて次にR2000という現行世代の方も見てみます。

RIDE IN STYLE

新しいCLARIS R2000シリーズは初心者のサイクリストに適しています。ライディングスタイルはレース志向ではないですが、簡単なスポーツ、ロングツーリング、カジュアルウェアによるタウンクルージング、日々の通勤に適しています。CLARISのバイクはサイクリストのパートナーです。このようなバイクを持つとサイクリストは幸せを感じることでしょう。スポーティーなデザインですが、快適なライディングを楽しめることを約束します。

さまざまなスタイルに適したスポーティーなデザインと楽しさを演出します

スタイリッシュでクリーンなデザイン

SHIMANO公式サイトより

狙っているターゲット自体は変わっていないと思っていたのですが、この書き方だと現行世代と前世代で違うような感じですね。

2400シリーズはフィットネスなどのレースではないにしろスポーツ用途を想定しているような書き方です。R2000はどちらかというと普段使いを重視しているような書き方に感じます。なんならレース志向ではないと明確に書いていますね。

このことからもメーカーが想定しているのはこんな感じですね。

  • レースは想定外
  • 軽いスポーツ用途
  • 街乗り

大雑把にこんなところですかね。

これに関しては私の個人的な考えとも同じです。レースには使えないけど、フィットネス用途や街乗りでは十分である、ということですね。

ちなみにCLARISについての余談ですが、2400の一つ前は2300というものだったのですがこれはCLARISという名前をもらっておらず、しいて言うなら「SHIMANO 2300」というノーグレードのような扱いでした。「CLARIS」という名前をもらったのは2400が初めてなので名前だけで言うなら歴史の浅いコンポーネントだったりします。

あとは少しだけ規格の話をするのであれば、8速のチェーンはママチャリなどでも使う7・6速と同じチェーンという背景もあり、その互換性の中での限界にあたる8速のコンポーネンが無くなるということはないと考えています。

2300というか2200のころからこのコンセプトは変わらず続いているのでSHIMANOのロードバイク用8速コンポーネントはこの立ち位置を変えることはないのだと思います。

105神話について

いろんなことを調べていても「105が最低ライン!」だとか「最初に買うなら105」みたいなことを目にしたことがあるかと思います。

105は上から3番目に属する真ん中ぐらいのグレードのコンポーネントですが、なぜこんなことを言われるようになったのでしょうか。

SHIMANO 105 5800

大体のところで考察されていますがなぜ105なのか。私の考えを書いておくと他の方々と同じように上位シリーズとの互換性が高いことでしょうか。

現行のフラッグシップモデルが11速コンポーネントではありますが、現行の105 R7000も11速でチェーン、リアディレイラー、クランクなどといったものを使いまわすことができるので容易にアップグレードできる。

ちなみに公式サイトには105 R7000について以下のように書いてあります。

SHIMANO 105 R7000 シリーズはこれまで以上にサイクリストにパワーをもたらし、ロードサイクリングというスポーツの魅力を高めます。 ビギナーのトレーニングに最適なアイテムから、レースで真剣に走り込むのに必要なツールまで、すべてのサイクリストをサポートする頼れる製品が揃っています。 トリクルダウンテクノロジーを採用し、さらにアクセスを追求した SHIMANO 105は、常に一歩先へとチャレンジするサイクリストに意欲と刺激を与え続けます。

SHIMANO 公式サイトより

レース志向とまではいはないまでもレースシーンにも対応しつつ手の届きやすいコンポーネントという位置づけを目指しているのでしょう。

実際に私のイメージもこんな感じですし。

このビギナーのトレーニングやレースシーンを想定している105というコンポーネントはどんな使い方にでも対応できるというのも105神話が存在している理由なのだと思っています。

つまり105というのはコンポーネントに悩むような人に対しては、予算さえ合えば誰が買っても後悔しない選択肢ということなのです。だからこそ105がいいという人が多いわけですね。

実際のところCLARISはどうなのか

メーカーの想定する使い方であればすごくいいと思います。ロードバイクを欲しいというのは色々あるとは思うのですが、レースに出るわけでない方も多いかと思います。もしレースに出るのであれば105がいいと思うのですが、グルメライドなどのイベントに参加する場合やロングライドぐらいならCLARISで全然問題ありません。(自転車屋でお客様の話を聞いているとほとんどの方がレースに出ようとは思っていませんね。)

私自身がブルべ(200~1000kmを走るイベント)などのロングライドをCLARISでやり切っているので胸を張って問題ないといえます。

しっかり調整すればしっかり変速してくれます。CLARISだからといって何か不具合が出やすいとかそういうのもありません

あまり目のいかない良いところで言うと金銭面の話です。自転車は手のかかる乗り物なのでチェーンなど交換してあげないといけないものもありますが、8速用の部品というのは総じて安価です。カスタムの部品もどうようで変えたいなと思ったときに安価に変えられます。最高グレードの11速と比較すると、相当安いです。なので修理・カスタムなどの観点から見てもいい面があります。

ギアの数が少ないことが気になる方もいると思うのですが、最高グレードのものとの差は後ろ3枚だけです。3枚の違いが大きいんだよ!なんて方もいるとは思いますが、私個人の意見としては「たった3枚の差」としか思っていません。そんなに細かくつい買いたいならCLARISでフロントを3段にしてしまったほうがよくないかと思ってしまいます。チェーンリングでギア比を変えてもいいですしね。

FC-RS500についてた11s用のチェーンリング

段数が多いと細かく調整できる!なんていう方が多いですが、実際のところほとんどの場合で使っていないギアがあると思います。それならスプロケット(後ろのギアのこと)をクロスレシオなもの(ギアの差が小さいもののこと)に変えるので十分だと思います。いざというときに軽いのが欲しいのなら上述のようにフロントを3枚にしてしまえばいざっていうときにどうにかなります。

結局のところ105を買ってもCLARISを買っても多少なり不満は出る可能性があります。大体の方がこういった後々の不安を考えますが、スプロケットを変えるとかでも対処できることは多いので気にする必要はないと思います。

あとはロードバイクが楽しくてレースに出てみたくなったとなっても、最初からクリテリウムで1位狙うとかではないと思うので、とりあえずCLARIS装備のロードで参加することだってできます。向いていないというだけですし。レースで具体的にどう向いていないのかというのは省きます。参加後に競技としてやりたいというならもう1台買ったらいいと思います。

やはり1台持っていると、次の1台を選ぶときに今までの不満であったり、どこを見ればよいかがわかってくるのでそういう意味でもCLARIS装備の自転車はいいものだと思います。

以上を簡単にまとめるとこんな感じです。

  • 変速はしっかりする
  • 修理・カスタムが安価にできる
  • 105のような上位グレードを選んでも不満はでる
  • たいていの人は、最初の1台の装備としていい選択肢
  • レースに後で出たくなったらそのときにもう1台検討するのが色々な理由もありベター

なのでCLARISというのは巷で聞くほど悪いものではないですし、むしろいいものです

SHIMANO 600があったような時代から自転車に長い間乗っている老練なローディの方にはいろんな観点から8速が完成形なんておっしゃる方も多いです。それくらい8速の評価は高いものだったりします。

まとめ

CLARISは価格や性能の観点からいうと文句なしのいいコンポーネントです。性能は悪くないし、安価。初めての1台にも、街乗り用の1台の部品としても優秀なコンポーネントです。巷で言われるような悪いコンポーネントではありません。これから買うという人は他人の評価に惑わされず、好きなデザインや価格と相談していいロードバイクに出会えたらいいですね。買って少し後悔している方は自分が何に後悔しているのかよく考えてみると、コンポーネントを変えるかどうかなども検討しやすいと思います。

これで以上となります。お読みいただきありがとうございました。

2件のコメント

  1. とても参考になりました。
    良い記事を書いてくださり
    ありがとうございます。

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