あさひ「LOG アウトランク」のレビュー!安価で軽い!遊び甲斐のある楽しい自転車!

前々からミニベロ欲しいな~なんて思っていたのですが、色々考えているうちに14インチのミニベロが欲しいとなりました。

ですが、そこら辺のミニベロになると、結構な値段がしたり、結構癖の強い自転車が増えてくるのですが、ほとんどの14インチのミニベロに共通するのは折り畳み機構があること。

しかし、私は折り畳みミニベロである必要はありません。折り畳み機構はあるなら、それは使わなければいいじゃんと思うかもしれないのですが、使わない不要な折り畳み機構があると異音トラブルの原因になることになることもあります。長く使う観点でならないほうが良いですね。

上記のようなことを考えながら、おもしろい自転車はないかなと探していると、サイクルベースあさひが販売しているLOG アウトランクに出会いました。ハンドルだけが折りたためる機構、持ち手の付いたフレーム、3万円程度のお値段でいながら総重量8.5kgと軽量というなかなか見どころのある自転車です。

他にも色々なミニベロを検討したのですが、やはりハンドルだけが折りたためて高さを下げられて車載がしやすく、私的に不要な折り畳み機構がなくシンプルなフレーム、持ち手がついたユニークなフレームが決め手となり購入を決意しました。

それ以外にも私自身はロードバイクなんかも持っていて、少し部品を変えたりしやすいものが良いという条件を満たしていたのも良かったです。

実は、早々に改造してしまったので、デフォルトの状態のアウトランクの写真がないのですが、買った状態そのままで少し乗ったのでその乗り心地や使い心地、注意したいことなどを残しておきます。私はいじった後の写真しか撮っていなかったので、デフォルトの写真はメーカーサイトで見ていただければと思います。

多少いじった後のアウトランクの写真

クランクをいじってるので、左から撮影した写真を使っています。それ以外にも、別の自転車の泥除けを無理やりつけています。本当は泥除けはついていません。というか、これだけ車輪小さかったら、泥除けは無くてもそんなに服は汚れなそうな気もします。

最後には改造についてのお話も少し載せるので、自転車をいじり倒したくて仕方ない人も、読んで満足していただけると思うのでよろしければ最後までどうぞ。改造記事は別に書いていますので、リンクを順次更新して載せてる予定です。

目次

LOG アウトランクについて

はじめに、LOGアウトランクについてどんな自転車なのかの紹介をします。

アウトランクなんて略して紹介していますが、以前のモデルがアウトランク-H(-Hというのは型番らしいので、「アウトランク」というのが車種の名前)というもので、現行のモデルがLOG アウトランクというモデルになります。なので以降はLOGアウトランクについての記事ですが、アウトランクという表記で紹介していきます。

以前のモデルというのがどんなのか気になるとは思うですが、この項の後半で取り上げるので一度後回しにします。

さて、このアウトランクですが、サイクルベースあさひが企画する自転車なので、事実上サイクルベースあさひの専売商品になっています。

あさひの「アウトランク」

余談ですが、アサヒサイクルという会社もありますが、サイクルベースあさひとは別物なので、アサヒサイクルの取り扱いがあってもアウトランクが買えないので注意しましょう。街中でみる自転車屋の「サイクルベースあさひ」であればお取り寄せなどで購入できると思います。

アウトランクという自転車は一つ前のモデルが最初のモデルで、2017年のグッドデザイン賞を受賞した経歴があります。持ち手のついたユニークさが評価されたそうですね。私もそこが面白いと思ったのでグッドデザイン賞というのも納得です。

自転車中央の持ち手

じゃあLOGアウトランクと初代アウトランクの違いとは何かということなのですが、カラー、値段が違うほかに、新しいLOGアウトランクの方がスポークの本数が多いそうです。後はタイヤの太さが微妙に太くなったそうです(14×1.75→14×1.95)。

それでいてカタログ重量はそのままなので、何か別の部分で軽量化しているかと思ったのですが、店員さん曰く目に見てわかる違いはそれくらいだそうです。なので、新旧の違いで性能が大きく違うということはなく、気にすることは無いかと思います。カタログ値の謎はよくわかりませんね。タイヤあたりが軽量化されたのでしょうか。

LOGアウトランクの先頭について「LOG」というのは何?と思うかもしれませんが、サイクルベースあさひが売り出しているプライベートブランドの名前がLOGのようで、「Lifestyle Outdoor Gear」の略だそうです。アウトドアを楽しむための様々なスタイルを提案するブランドなのだとか。その中にアウトランクが仲間入りしたような形みたいです。どこでも走れるようにタイヤを太くしたのでしょうかね。

LOG: Lifestyle Outdoor Gear
LOGアウトランクのヘッドチューブより

アウトランクの特徴

アウトランクの特徴やスペックを公式サイトより引用します。以下のようになっています。

適正身長140cm-
重量8.5kg
フレームアルミ
ハンドルアルミ
フラット
変速シングル
前ブレーキVブレーキ
後ブレーキVブレーキ
タイヤ14×1.95
チェーンハイガード
クランクアルミ
スタンド片足
その他機能フレーム持ち手
折りたたみステム
アルミハブ
価格32,980円
https://ec.cb-asahi.co.jp/catalog/products/affa53b7ef444b13851f0ca0736f9c61より一部抜粋

こんなスペック表見ても何がなんやらという方が多いと思うので特徴らしい特徴を書き出すと、なんといっても3万円強のお値段で、重量は8.5kgという驚異の軽さを誇ることです。

そもそも、14インチの自転車ということ自体が特徴でもありますね。

14インチの車輪は小さい直径は234mm

14インチミニベロとしては価格や重量的な対抗製品としてはルノーのLight 8(AL-FDB140)キャプテンスタッグのリライト(AL-FDB141)というものがあります。

それぞれ特徴はあるのですが、最初のほうに書いた通り、これらの自転車はもれなく折り畳み自転車です。

ですが、アウトランクは本体が折りたためない代わりに持ち手がついていて、運びやすさはピカイチなのも特徴だと思います。折りたたみ自転車は持ちにくいし、いざ持ち歩こうとすると、固定していなければフレームが開こうとしてしまってすごく運びにくいので、畳めないけれど持ち手で運びやすさを向上しているのは良いと思います。持ち運んでみると、重量よりも持ち運びにくさの方が煩わしく感じることも多いので、持ち運ぶ前提の取っ手があるのは車載や輪行をする前提であればあるほど嬉しいですね。

持ちやすいように型がつけられている

折り畳み自転車である必要がない場合が多いのに目を付け、フレームに折り畳み機構を付けず、高さを下げることで積載のしやすさを確保する面白い製品という感じです。

ハンドルを折りたたむと持ち手と同じ高さぐらいに収まります。

高さはかなり低くなる

個人的なスペック面での性能評価

価格からみて、8.5kgという性能は優秀だと思いますし、何より持ち手が付いていて、ハンドルだけが折りたためることによって、車載のしやすさはピカイチだと感じました。

それ以外に、Vブレーキ(MTBとかスポーツバイクに良く使われるブレーキ)を採用していてブレーキの効きが非常に良いのはGoodです。キャリパーブレーキでブレーキが効かないっても怖いのでVブレーキ仕様で売り出したのは英断ですね。

少し気になるのは、ギア比(ペダルを回す回数に関係)ですね。

よく「車輪が小さいとたくさん回さないといけない」なんて耳にすることがあると思うですが、この自転車もその傾向がありそうだと数字を見ただけでも感じていました。このギア比というのが大きいほどたくさんこぐ必要がなくなります(その代わりこいだ感じが重く感じるようになります)。

車輪は驚くほど小さい

14インチという大きさは700cの車輪(26インチと27インチの間ぐらいの大きさ)の半分程度の外周長なので、ロードバイクを乗る方がわかるように書くと、フロント38T、リアが22Tで常に走っているような感じになります。

これが乗ってる方からすれば軽すぎじゃない?と思うぐらいのギア比で、感覚的にはママチャリの変速なしモデルより、少し遅いぐらいのスピードが乗りやすいレベルです。おそらくスポーツ自転車を乗らない一般の方でもペダルが軽いと思う可能性が高いです。私は自転車乗りなので、少し一般の方と感性がずれてるので、あくまで想像でしかありませんが…

軽いのにあまりスピードが出しにくいというのは少し損な設計だと感じました。まあ、14インチの自転車って扱いが難しいので、スピードがすごく出るのも危険なんですけどね。

一応あさひ公式Youtubeの販促動画によると、「ぐいぐい進む」とのことですが、実際のところそうではないのではと感じています。こぐのが軽い分スピードは出ないけど、軽く「ぐいぐい」進みはするので、嘘ではないんでしょうか。実際に乗った感想は後述しているのでそちらをご覧ください。

スペック自体は良さげですが、ギア比に関しては微妙そうなので、街乗りでのるなら少しいじりたいなという評価です。いじっても他のスポーツタイプの自転車に比べたらずっと安いので私は気になりませんが、一般の方だと結構気になりそう金額とカスタムになりそうだなと感じました。お値段にすると安くても部品代のみで+5,000円〜というぐらいにはなりそうです(チェーン+クランクアーム)。

実際に乗った感想

乗って真っ先に思った感想はこんな感じでした。

おおっ!持ったら軽い!ハンドルも軽い!!

でもペダルも軽い…

この価格でこんな感じなのかと驚きました。軽いのはやはり正義ですね。なお、他にも色々軽かったのでそれもびっくりしました。

やはり、ペダルが軽いというかやっぱりスピードは出しにくい作りなんだなと感じました。

あと気になったのはハンドル操作の軽さです。これはミニベロ全般に言えることですが、車輪が小さくなればなるほど安定感が下がっていくので、多少は覚悟していたのですが、覚悟していてもかなり軽いと感じました。慣れないとスピードを出すのは怖いぐらいです。段差を乗り越えるのは怖く感じると思います。DAHONのK3よりは怖くないですね。あっちはタイヤが細いので乗り越えるだけでハンドルを取られる恐怖があります。

ハンドルは一般的なものと少し違うので操作感に癖がある
(変速レバーがありますが、本来はついていません)

これはアウトランクの設計的な問題というよりは、14インチの自転車が抱える共通の特徴なので仕方ないことです。

とはいえ、他の14インチの小径車に比べると安定しているとは思います。タイヤが太いのが良いのか、ホイールベースのような設計によるものかはわかりませんが、市販の14インチ自転車の中では最も安心して乗れると言っても良いと思います。

あとは、私の身長は167cmぐらいなのですが、私がロードバイクのようなポジションで乗ろうとすると、シートポストの長さが足りずサドルの高さが合わせられません。サドルの部分を限界まで下げてコンパクトになるように設計しているのだと思いますが、もうちょっと身長のある人もたくさんいるのですから、もう少し長いシートポストの方が嬉しかったと感じました。

一般の方が乗るぐらいの高さだと、一番伸ばした状態で170cmぐらいの方が乗れるくらいの大きさになるかと思います。

最大までサドルを上げても少し厳しかった

ただ、ここら辺はサドルを下げたときの高さにも関係して、最終的には持ち運びやすさにも関連することなので、気になるのなら個人で変えてくださいという感じでしょうか。積載性とトレードオフな部分なので難しいですね。

色々書きましたが、乗って楽しい自転車ですし、色んな所に運べるという点で、自転車の楽しみ方が増えるそんな自転車だと感じました。

まとめ

価格を考えなくても、本体に持ち手のついた特徴的なフレーム、そして軽量なので非常に魅力的な自転車だと思います。それでいて、価格は3万円程度と価格を考えれば文句のない自転車です。

自転車乗りでもない一般の方が買って、そのまま乗る分には十分乗れる自転車だと思いますし、簡単な機構しかないので慣れていない方でも比較的扱いやすいというのは大きなメリットです。一般の方にはおすすめできる自転車だと思います

ですが、いくつか書いたように、自転車の乗った感想としては、ハンドルが軽いなど、普通の自転車よりは乗りにくく少し扱いの難しい自転車だとも感じました。ですが、ここも慣れでなんとかなる程度だと感じました。

また自転車乗り的にはどう?っていうのであれば、ハンドル操作や乗り心地に関しては慣れの部分はあるにしろ、標準の状態だとギア比(ペダルを回す回数)に関しては少し軽すぎの部類かなと感じました。ですが、この部分はカスタムでなんとかなる部分です。

しかし、マイナスポイントを十分上回る良さがあると思うので良い自転車だと私は思います。自転車を電車などで運んで出先で乗るのが誰でも気軽にできる自転車だと思うので、出先で乗りたいという方には非常におすすめの自転車です。

なので、自転車乗りの方にも、いじって乗るカスタムベースの自転車という意味では非常にお勧めできる自転車だと感じました。逆に、いじらないのであれば、ギア比の低さが気になって仕方ないと思います。クランク&チェーンリングぐらいは最低交換かと。

個人的な感想になってしまいますが、なんとなく14インチで遊べる自転車ということで、往年の名車のPanasonicのトレンクルやBRIDGESTONEのTRANSITを思い出すような自転車だと感じました。どちらも現在では廃盤になってしまった自転車ですが、トレンクルは30万近い価格だったり、TRANSITも10万円ぐらいの高価な自転車だったことを考えると、3万円そこらで興味をそそるデザインに遊べる自転車という意味では非常に良い、自転車マニア受けのよい自転車ですね。

(上級者向け)改造のお話

さて、自転車乗りの私が、この記事を誰が読んでもわかりやすいように多少配慮して書いてきたわけですが、この項は自転車改造が大好きな方が読んでも楽しんでもらえるパートを目指して書いていきます。

私は機能的なところにひかれたのもあるのですが、最終的にはいじり倒すつもりで買っているのでそこら辺の話を今からします。正直それする必要ある?みたいなこともありますが、自己満足の世界なので、あまり気にしないでください。

皆様が知りたいであろう規格について私がわかっている限り以下に示します。

部位規格
フロントエンド幅74mm
リアエンド幅実測124mm(?)
備考:チェーン引き込みで
O.L.D.120mmのハブ対応
ハンドル径25.4mm
ヘッドスレッドタイプ
※おそらくJISだろうが未確認
ステムスレッド
ブレーキVブレーキのみ
(標準的なアーチ長)
BBJIS 68mm
備考:標準はリテーナーの
スクエアテーパーBBを装備
クランクスクエアテーパー用
備考:BBを変えれば
ホローテック系もOK
チェーンリングクランク変更で60Tは確認済み
サドルタイプスポーツ用と同じ
(一般車のような櫓なし)
シートポスト径33.9mm
リアエンド形状正爪
ケーブル台座リアブレーキ用のみ
リム前後ともにシングルウォール
前:20H
後:28H
リアコグ11T
ハブのメーカー前後ともJOYTECH
各種仕様

ここまで書いたら大分満足いただけるかと思います。

表を見ての通りですが、ところどころDAHON規格が採用されており少しいじりにくいのですが、リア側はなんと120mmの一般車仕様のハブが入るエンド幅となっています。競合他社製品がほぼすべてで85mmの規格を採用する中でアウトランクのみが120mmの規格なのは非常に面白いですし、いじれるところになってきます。

120mmなので、ママチャリなどに採用される内装3段ハブを装備することが理論上可能です。車輪組さえできれば変速を付けることすら可能です…ちなみに、私は内装ハブを付ける予定です、というか取り付けました。まあ、重くなりますが、機能性を考えたら、気にしたら負けだと思っています。つけれるかどうかや、一時期考えていたことは以下のページで書いています。実際に車輪組しましたっていう記事は別で書きました。

それ以外にも、他の似たようなサイズの自転車はフレームの折り畳み機構との干渉やチェーンラインの都合上53T程度までしかフロントチェーンリングが付けられないのに対して、アウトランクは折り畳み機構が無いおかげで60Tのチェーンリングを装着することが可能です。こちらも既に取り付けて確認済みではありますが、ものによっては、チェーンが干渉する可能性がありそうです。私はかろうじてセーフでした。

さらに、BBに至ってはJIS 68mmと一般的な規格なので、ホローテック系のBBを付けることも可能です。

後は、軽量化関連で言うと、シートポスト、サドルがかなり重量を感じるので、ここを変えてやるだけでも相当な軽量化が望める可能性が高いです。あとはペダルも持った感じ重く、ESCAPE R3標準のペダルの方が軽く感じたぐらいなので、ペダルも軽量化できそうですよ。

ちなみに、改造記事もアップしていく予定なので、記事ができ次第追記していきますので、気になる方は暇なときにでも見に来てください。

(追記:2021/1/1)車輪組みをした際の記事を書きました。組み付けは別記事です。

(追記:2022/03/21)クランク交換とシートポスト&サドル交換についての記事を書きました。

以上です。お読みいただきありがとうございました。

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